ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智さん。
今まで治療できなかったいくつかの感染症に効く薬を開発し、
毎年世界で2億人以上を病気から救うという業績が讃えられました。
その大村智さんに密着したテレビ番組を偶然見ていると、こんなシーンが。
授賞式を3週間後に控えた先月21日、定時制高校の同窓会で教え子に会った。
教え子たちが卒業を迎えたと同時に教師を辞めて研究者になった。それから52年、最高の栄誉のノーベル賞を受賞した。教え子の娘さんに渡すと言う色紙に書いた言葉は「しせいそくだつ」だった。ノーベル賞へと導いたのは教え子たちのお陰だとはっきりと話した。
「しせいそくだつ」。漢字で書くと「至誠惻怛」。
「至誠」とは
きわめて誠実なこと。また、その心。
「惻怛」とは
親身になっていたみ悲しむこと。
「まごころ(至誠)と、いたみ悲しむ心(惻怛)があれば、やさしく(仁)なれる」
という中国の王陽明という儒学者の言葉だそうです。参考URL
私はテレビを見ながら、直感でこう思いました。
大村先生は
自分なりの哲学を持った方なのではないか と。
すると、このシーンがテレビで流れたのです。
受賞決定の後大村さんの自宅に行くと、
2階から3冊の本を読んで感銘を受けた言葉を書きだしたノート腹中有書を3冊持ってきた。
大村さんは哲史のペンネームで故郷の同人誌などに日々感じたことなどを寄稿していた。
私も本を読んでいて、心に響いた言葉をノートに書き出しています。
そして、大村先生もまた、文章を書く人だとわかって、
親近感を覚えました。
そこで、さらに大村智さんについて調べてみると、研究以外にも業績が!
- 財政が悪化していた北里研究所の経営を再建。
- 女子美術大学に基金を私費で設立。学生の留学資金、美術活動費を支援。
- 美術品のコレクター。本も出されている。
- 私財を投じて韮崎大村美術館を建設。自分のコレクション1800点以上を寄贈。
- 9校からなる学校法人の運営。
大村智さんのマルチな才能に驚きました…。
能力は人それぞれだとはわかっていますが、
多方面にわたりいろいろなことを成し遂げるためには
読む力、書く力が欠かせないにちがいない。
と、思わずにいられませんでした。
いいね!しよう